ネオジウムガラス

ガラスはさまざまな着色材で色をつけられていますが
その中のひとつに酸化ネオジウム(酸化ネオジム)という物質があります。
これをガラスに混ぜて着色すると薄い青紫のきれいな色になりますが、
ネオジウムのおもしろいところは太陽光の下で見た場合と
蛍光灯の下で見た場合では色が変わって見えるのです。



ネオジウムはあまり耳慣れない希土類と呼ばれる元素の1つで
黄色の波長である570nm付近の光をきわめて強く吸収します。
そのため、太陽光や電球などの赤色が強い光の中では、黄色が抜けることで
赤い光と青い色の混色であるマゼンダ(紫色)寄りの色に見えます。
一方、青色と緑色が強い蛍光灯の下では、黄色が抜けると
シアン(水色)寄りの色に見えるのです。
人気のガラスロッドのCシリーズでも販売されているので
ご存知の方も多いかもしれません。
CシリーズのネオジウムガラスはCS4-m3ですが
蛍光灯下では澄んだ透明色のきれいな青紫色で
太陽に当たると少し赤みを帯びたラベンダーのような色に変化します。
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CS4-m3
左:蛍光灯で見える色、右:太陽光で見える色
きなりがらすではこの他にもAシリーズ(クリスタルガラス)で
ネオジウムガラスを販売しています。
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A122(やや薄めの藤色)
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廃番 A39(やや濃いめの青紫色)
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入荷未定 A92(やや薄めの青紫色)
Aシリーズ(クリスタルガラス)の方はどれも半透明色のネオジウムガラスになります。
※A39は残念ながらすでに廃番、A92は入荷未定となっておりますので、
悪しからずご了承ください。
このような性質を持つものは多色性ガラス・二色性ガラスと呼ばれますが、
ガラス素地が持つ性質なので、何か仕掛けがあるわけではありません。
ちなみに、同じような性質を持つものにアレキサンドライトという宝石があります。
こちらは太陽光では青緑色、
電球やろうそくの炎では紫がかった赤色に見えます。
不思議ですね~。

環境や人の体に優しいガラス素材について。
「とんぼ玉」というちょっとふしぎな呼び名・・・